共感することの本当の意味

こんにちは!
話し方教室『ハナサク会話堂』 講師のさとです。
寒くて乾燥する時期になると、いつも指がささくれてしまってすごく痛いです(T_T)
いい改善法をご存じの方は教えてくださいm(__)m
共感するとはどういうことか
「聴き上手になるには共感することが大事だ」
ちょっとでもコミュニケーションの勉強をしたことのある人は、
きっとこんな言葉を聞いたことがあると思います。
ではそもそも、「共感する」って具体的にどういうことでしょう?
…意外とあやふやだったりしませんか?
共感という言葉を辞書で調べると次のように書かれています。
「他人の意見や感情などに、そのとおりだと感じること」
イメージとしては、
相 手「月曜の午前中ってホントだるいよね~。」
あなた「わかる~!『また5日も働かなきゃいけないのか~』ってげんなりするよね。」
みたいな感じでしょうか?
実際、こういう認識の人は多いと思います。
たしかに共感にはそういう一面もあります。
だから「そうだよね、わかるよ!」って賛同するのもいいと思います。
でも、何でもかんでも賛同してあげられるかと言えば、
それはやっぱり無理がりますよね。
例えば
相 手「靴なんて5千円以内で十分だよね。何万も出すなんて信じられない!」
あなた(僕の革靴、3万円するんだよな~。)
相 手「うちのお父さん、私が小さいころに出ていっちゃって…。あの頃は貧乏でツラかったな。」
あなた「そ、そうなんだ。(軽々しく『わかる』なんて言えない…)」
こういう価値観の違いとか、
自分の身には起こらなかったような壮絶な体験を聞かされたときとか、
相手に「わかるよ」と言ってあげられない場面は無限にあります。
人間なんて一人一人、人格も、考え方も、
今までに歩んできた人生もバラバラなんだから当たり前です。
では、そんなときでも自分の本心をねじ曲げて
無理に相手に合わせなきゃいけないのでしょうか?
もしくは、自分も同じ価値観を持っているときや
同じ体験をしたことがあるときしか共感することはできないのでしょうか?
いいえ。
共感するには何も、自分の本心を偽る必要はありません。
賛同できるときしか共感できないわけでもありません。
なぜなら、本当の共感とは、
「あなたはこう感じたんですね」とか
「あなたはこんな人なんですね」 という風に
理解を示すことだからです!
さきほどの例でいうと、
相 手「靴なんて5千円以内で十分だよね。何万も出すなんて信じられない!」
あなた「○○さんはあまりファッションにお金はかけない人なんですね。」
相 手「うちのお父さん、私が小さいころに出ていっちゃって…。あの頃は貧乏でツラかったな。」
あなた「そっかぁ。今までたくさん苦労してきたんですね…。」
といった感じでしょうか。
こういう理解の言葉を積み重ねていくと、相手はあなたに対して
「この人は私のことをわかってくれるんだな」
「私と真剣に向き合ってくれるんだな」
と信頼が増していき、今まで以上に心を開いてくれるようになります。
共感力は、相手と深い関係になる上で必須のスキルです。
『ハナサクエスト 聴き方の巻』でも、とくに力を入れて練習しています。
100%の理解はできない
実際に共感しようと試みても、
なかなかいい言葉が出てこなくて困ってしまう人も多いと思います。
でも、覚えておいてください。
毎回100%の共感することは、誰にでも不可能です!
どんなに相手の気持ちを想像したところで、本当の気持ちはわかりません。
そりゃそうですよね。
(あえてこう言いますが)結局は「別人」なんですから。
たとえ家族でも、恋人でも、誰かを100%理解することはできません。
そこはしっかりと自覚してコミュニケーションに臨んでください。
そしてその上で、今より深い関係になりたいと思う相手に対しては
「100%は無理だったとしても、今より1%でも多く共感してあげたい!理解してあげたい!」
そういう気持ちを持って話しを聴いてあげてください。
たとえ100%理解することはできなくても、
あなたのそういう態度こそが相手の心を満たしていくのです。